
海外赴任者の変化と福利厚生の関係性
時代の変化に悩む人事担当者が増加
これまで、海外赴任者に対する福利厚生制度は、主に日本食の海外発送や医療面での支援に限られていました。
しかし、海外赴任対象となる社員の若年齢化や渡航国の変化により、大きな転換期にきていると言っても過言ではありません。
その理由として、海外赴任を断る社員の増加、従来の福利厚生制度の利用率低下、そして、何より社員が、会社の福利厚生、支援体制に満足していない点が挙げられます。
数年前までは、海外赴任=出世ルートという位置付けが強く、生活面の多少のリスク以上に見返りがあると考え、赴任していましたが、近年ではどうでしょうか?
現地の管理する立場での赴任というよりは、一つピースとして、捉える企業が多く、簡単に言ってしまうと、「国内転勤」と何ら変わらないようになっています。
この状況では、社員の立場では、今の安定した生活環境を捨ててまで、リスクの高い見知らぬ土地へ喜んで赴任する社員が、減少するのも頷けます。
特に若年層の世代では、「グローバル人材」の育成が学生期から、積極的にすすめられているものの、現実は非常に厳しいと言われています。
優秀な人材になればなるほど、これのリスク意識が高く、将来を考えると、今このタイミングで赴任するよりも、日本である程度の地位を築きたいと考えるのも当然です。
従って、従来の制度、体制では、今までのように上手くいかないと感じている人事ご担当者は、益々増えてくるものと思われます。
海外での市場調査、事業計画、収益構造の確保などに重きを置くことも必要ですが、会社として、いかに赴任者を支援し、会社のために海外で頑張って働いてもらうか。
この点が、優秀な人材の育成、確保、そして採用面でも今後は、重要になってくるものと思われます。
